vol.3「麩屋町通は麩の通り」

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京都は碁盤の目状にたくさんの通りがある…というのはご存じですよね? 中には通り名に由来を持つ場所もあります。たとえば、河原町通から三本西へ行った麩屋町通。ここは元々麩を商うお店が集まっていたため、この名がついたといわれています。通り名になるほど麩が京都に根付いた訳は「お寺とお水」。その昔、中国から禅僧が持ち帰った麩は、精進料理、後に茶席での懐石料理へと用いられるようになります。寺院が多い京都だからこそ、そこで使われる麩をつくるお店も多かったのでしょう。そして麩づくりに欠かせないのが水。麩は小麦粉を水で練り、水で洗ってつくられます。つまり、おいしい水ができあがりを左右するのです。なめらかな地下水が豊富に流れる京都。そんな風土がおいしさに磨きをかけてきました。今も伝統の味を守りつづける京都の麩。それは「お寺とお水」に培われた、はんなりとした味なのです。

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