生まれも育ちも錦市場。だからといって、商売人とは限りません。彼の名は「伊藤若冲」。奇想の画家として、江戸時代中期に活躍した絵師です。30代になってから本格的に絵を学びはじめたという若冲。市場で売られていた食用の雀を全部買い取って庭に放ち、写生したという逸話も残っています。イキイキとした絵を描くためには、ただ単に見たままを描くだけでは足りなかったのでしょう。写実を超えたところにある表現力と大胆な構図こそ、若冲の真骨頂。独特の画風は、今なお幅広い世代に人気を博しています。2016年は若冲生誕300年。京都市内の美術館などでも若冲にまつわる企画展などが行われています。ご注目ください。