第84回 上田鍍金株式会社
第84回は1956年創業の「上田鍍金株式会社」さんを訪問いたしました。現在、エレクトロニクス部品を中心とした各種金属部品の高精度な“めっき加工”や“表面処理”を行われています。
スマートフォン等モバイル機器内部に使われているコネクタには、信号のやりとりをする接触部分と、基盤接続に必要な実装部に「部分金めっき」が施されております。
モバイル機器を小さくするためには、部品も小さくしなければなりません。部品が小さくなれば、部品と部品をつなぐ「めっき」できるエリアがさらに微小化して今やミクロン単位のめっき技術が要求されているのです。私たち一般ユーザーは、スマートフォンには小さなボディにいろんな機能がついて便利に使っていますが、それはこの高精度めっきの技術のおかげなのです。
1989年には海外へも事業の拡大をはかる為、マレーシアにUEDA PLATING MALAYSIA SDN. BHD.を設立され、活躍の場は海外にも広がっています。
会社の規模が大きくなり、本社と各事業所間の温度差を解消するために、社内のマネージメントシステムが重要になるため上田鍍金さんでは、「事業計画制度」「品質」「環境」「安全衛生」「労務管理」の5つのシステムで構成され、各システムの目標達成の為の改善活動は「6S改善活動」に落とし込み実行されています。その内容とは、整理・整頓・清掃・清潔・躾・整備の6つのSです。その中でも、“整備”というのは機械が故障してから修理するのではなく、いつまでも長く使える機械を大切に使おうという、製造業ならではの上田社長の気持ちが込められています。この活動は社内でチーム分けされており、優秀な成果を上げたチームや社員さんは、設立記念式典で表彰されるそうです。縦割りの社内ではなく1人で考え込む前に問題があったら皆で解決しようとする体制が整っており、社内の風通しのよさを感じることができました。精度の高い技術は基本の改善活動の賜物ということを教えていただきました。
お忙しい中、お時間をいただきありがとうございました。