第131回 株式会社 横井製作所
第131回は、精密プラスチック射出成形部品の企画製造をされている「株式会社横井製作所」さんです。
会長の横井洋治さんが1984年に創業。現在は、材料開発・金型設計・成形技術・社内評価(品質検査)の各分野で技術の頂点を目指し、世界最高水準まで高められています。
「金型設計部門」では、一貫した製造に特化した精密プラスチック製造に欠かせない、ミクロン単位の精緻な作業をされています。「成形技術部門」においては独自の自動化やライン改善で高品質・短納期を実現。精巧に作り上げられた商品は、「社内評価部門」にて精密プラスチック独自の検査を実施。その中の測定装置は一部自社開発されています。更に工場は少人数・稼働率7割で利益を生み出すよう設備投資に力を入れられています。
この技術力は高い評価を受け、海外進出のお話もありましたが、日本製に拘り、自社の特色をもった部品に力を注がれ、現在はコスト競争力を含めた総合力において海外メーカーに対して優位性を保たれています。特に複写機の樹脂製トナー内部の攪拌スクリューにおいては世界シェア20%を獲得されています。
社内環境においては、働きやすい職場づくりを整えられており、2013年に時代を先駆けて社内に託児所を開設されています。きっかけは女性社員が2名同時に産休が重なったこと。当時は社会問題として待機児童問題が取り上げられていたこともあり、開設に至りました。早い復帰を希望されていた社員の希望も叶い、それ以降出産を理由に離職された方はいないそうです。他にも社員の教育制度など働きやすい職場づくりに尽力され、2018年2月には「働きやすく生産性の高い企業・職場表彰」において、最優秀賞(厚生労働大臣賞)を受賞されました。
今回、代表取締役社長の横井慎一さんにお話をお伺いでき、「周りに大きくしてもらった会社なので」と周囲に大変感謝されており、今まで大切に築いてこられた“顧客と会社と社員”皆対等な関係を今後も大切に考えておられます。事業内容では、現在スクリューの技術を使い、新しい分野のお仕事に挑戦されているということで、今後の更なる発展が楽しみです。