第173回 サンコーエンジニアリング プラスチック株式会社
第173回は、創業50年を迎えた総合樹脂加工の「サンコーエンジニアリングプラスチック株式会社」をご紹介します。創業者の山本次男さんは、18歳で山口県から京都に集団就職し、自動車部品工業で経験を積んだ後、26歳で会社を設立。1974年、西京極でプラスチック・樹脂加工卸の商社としてスタートしました。その後法人化し「㈱山幸商会」と改称。1995年に現在の場所へ移転し、現在の社名となりました。
同社の強みは、京都では珍しく樹脂材料の豊富な在庫を持つ点にあります。これにより大量発注による仕入れコストの削減が可能となり、お客様の要望に応じた短納期対応を実現しています。また、マシニングセンタ、旋盤、ルーターをはじめ、穴あけ、曲げ、接着、溶接など多様な加工技術を持ち、医療、半導体、自動車部品、液晶、電池、伝統文化といった幅広い分野で実績を積んできました。
現社長の山本健次さんは23歳で入社。長期的な視野での社長交代が予定されていましたが、前社長の体調不良により31歳の若さで代表取締役に就任しました。多くの年上社員がいる中でも、入社7年目で信頼を築いていたため、スムーズに社長業に専念できたといいます。
製造業では珍しく、従業員の40%が女性で、5年後には50%を目標に掲げています。同社は男女問わず社員が能力を最大限発揮できる働きやすい環境づくりを進めておられます。
また、環境問題への取り組みとして、2006年に「環境宣言」を制定。「ISO14001」に準拠する環境マネジメントシステム「KESステップ2」の認証を取得されました。さらに、EU諸国への輸出に必要な「RoHS指令」にも対応。2019年の規制強化を受け、社内勉強会を通じて有害物質への対策を徹底しています。これらの活動は直接的な売上には結びつかないものの、信頼される企業であり続けるための重要な取り組みです。
今後はプラスチック分野で京都の上場企業やメーカーを支える存在を目指している、とおっしゃられていました。社員の方々、皆様温かくて接しやすく、社長の人柄が社風になっているように感じられました。