第174回 株式会社 大栄製作所

 第174回は創業から半世紀以上にわたり金属加工業界で確固たる地位を築いている『株式会社大栄製作所』をご紹介します。
 1968年7月に創業者は現社長の父、吉岡忠嗣氏により設立されました。創業者は亀岡市から大阪へ就職し、金属加工業に従事した後、25歳で現在の京都・上鳥羽に会社を設立。先見の明を持ち、業界に先駆けてコンピュータを導入し、トータル生産管理システムを確立。その功績が認められ、京都府知事より4回連続で『中小企業モデル工場』に指定されました(1期2年有効)。また、オンライン販売の先駆者として2000年に楽天市場へ出店し、注目を集めました。
 大栄製作所は、創業以来、日本電池株式会社(現・株式会社ジーエス・ユアサコーポレーション)の協力工場として、産業用鈑金製品や各種精密鈑金ケースの製造を手がけています。長年にわたり培われた技術力を基盤に、高品質な製品を迅速に提供し、ISO認定をはじめとする各種認定を取得しています。また、最新のファイバーレーザー・パンチ複合機(トルンプ製)を導入し、高精度な加工技術と短納期対応を実現しました。3Dデータでの受注も可能となり、作業効率の向上にも大きく貢献しています。
 現社長の吉岡恵氏は、大学卒業後に金属加工機械メーカーへ就職し、営業の第一線で活躍。その実績が評価され、26歳で大栄製作所へ入社しました。営業経験を活かし、入社後は営業担当として事業拡大に貢献。創業者が若いうちに経営を託す意向を示し、2006年36歳で社長に就任しました。経営と営業を兼務するなかで多くの課題に直面しましたが、創業者のサポートを受けながらスムーズに業務を遂行し、組織の成長を促進しました。
 今後の展望として、大栄製作所は「攻めの営業」を軸に、更なる設備投資とAI技術の導入を進め、利益拡大を図る方針です。同社の経営基本方針には、「業界トップ企業を目指す」「品質向上と即応性の強化」「社員の成長と顧客満足の追求」「感謝と奉仕の心を基にした人材育成」などが掲げられており、これらを軸に持続的な成長を遂げることを目指しています。
 同社のモットーである「できる できる 必ずできる」の精神のもと、技術革新と人材育成を両輪に、さらなる発展が期待されます。