第35回 鯖街道 花折 下鴨店
第35回は、京鯖寿し専門店の『鯖街道 花折』さんです。鯖街道の花折峠に製造拠点「工房」を、葵橋東詰に「京都下鴨店」を構えます。大正2年、当初は仕出屋として開業されましたが、そこで提供していた鯖寿しが美味しいと評判になり、昭和56年に3代目当主が京鯖寿し“一業専念”の道へ改められたそうです。
花折さんの鯖寿しは厳選した、肉厚で脂ののった真鯖のみを使用しています。鯖は浜塩(一番塩)によって鮮度が保たれ、魚の臭みを取り除き、鯖寿しに最も良いとされる伝統的な加工が施されています。契約農園の近江米や若狭伝統の本醸造酢、利尻・礼文の昆布など、素材ひとつひとつにこだわり、それがバランスよく調和して鯖の旨味を一層引き立てています。
伝統の味や技術を守り伝えることは大変な苦労がいることですが、昔ながらの京鯖寿しが、広く、より皆さんの身近な存在になっていくことが花折さんの願いです。
看板商品は、メディアでも度々紹介される、極上の真鯖を使用した最も大きな棒鯖寿し「吟撰」です。鯖が寿しの半分はあるかと思う厚さで、豊満な脂の旨味に酢と塩味が絶妙なバランスで一体となり、口の中に広がります。贈り物としてもおすすめの一品です。
店舗では「吟撰」の他、やや小ぶりの真鯖を使用した「鯖街道」、皮目を香ばしく炙った「鯖あぶり寿し」などの店頭販売に加え、店内では「鯖寿し膳」「あぶり鯖寿し膳」などのお食事が出来ます。鯖寿しとセットの小鉢は、「かぶら寿し」や「鯖の中落ちと茶葉の佃煮」など、珍しくて美味と好評です。夏は「黒蜜のくずきり」が鯖寿しの後によく合い、食後のデザートにぴったりです。
古くより、ハレの日のご馳走として親しまれてきた「京鯖寿し」。今年のお祭りに、皆様の食卓にいかがですか?