第41回 大垣書店 本店
第41回は、京都府下を中心に26店舗展開する、地元書店で最大規模を誇る『大垣書店』さんです。今回は烏丸北大路にある『大垣書店 本店』にお話を伺ってきました。
1階から3階までが店舗となっていて、各フロアお世辞にも広いとは言えないスペースに、天井近くまである本棚と2人行き交うのがやっとの狭い通路。しかしながら、ショッピングセンター内や京都市中心部にある他店舗とは違った、味のある昔ながらの“地域密着型本屋さん”という佇まいです。在庫数は少なめですが種類が多く、特にお隣にある大谷大学の学生さんの利用が多い事から、文学・人文学の書籍を多く取扱いされています。2階には芸術書のコーナーがあり、ちょっとした憩の場的存在です。
“限られたスペースを最大限活用”する為に、ブックショップには必ず置いてある雑貨など文具の取扱は一切ありません。多少のカレンダーと旧作のDVDがあるのみで、本に特化した本屋さんです。検索機も置かれていませんが、その分お客さんと店員さんのコミュニケーションが取れる温かさがあります。実際近隣住民のリピーターの方も多いそうで、“顔見知り”になる事も多いそうですよ。
そして“地域密着型本屋さん”が感じられるのが売れ筋の書籍です。京都市出身の哲学者で大谷大学教授・鷲田 清一先生の著書がよく売れているそうで、その中でも206系統の市バスに乗って、その路線界隈について取り上げながら京都を語ったエッセイ「京都の平熱」はとても人気があるようです。2階入口にある棚には『鷲田 清一先生 関連図書コーナー』もあります。
観光や散歩の合間にほっと立ち寄れる懐かしの本屋さん。206系統の市バスにゆられて北大路にたどり着いた時にはぜひ『大垣書店 本店』に立ち寄ってみてください。