第56回 株式会社 幸伸

　第56回は1977年創業、京都を拠点に写真製版を主力事業として展開する『株式会社 幸伸』さんです。
　写真製版とは、印刷の前段階でテキストを配置した版下に写真をはめ込んで撮影し、印刷するためのフィルムを作る工程です。丁寧な手仕事による美しい製版の仕上がりと検品体制の強化で、入力ミスや誤植を防ぐなど、これまでお客様の求める品質や納期に応えることで信頼を獲得されてきました。
　近年では、IT技術の進展に伴って、印刷業界では画像・テキストのデジタル化が加速度的に進んでいるそうです。製版工程においても、ソフト機械も次々と刷新する必要に迫られており、『幸伸』さんでも20数年前からデジタル化に対応した製版を開始し、その後も時流に合わせて機器の更新を進められてきました。
　そして今回、印刷業への事業拡大を目指して、多様な材質や立体的な形状の物にも印刷できる“LED方式UV硬化フラットヘッドインクジェットプリンタ”を導入されました。このプリンタは紙だけではなく、アクリルやガラス、プラスチック、金属、木材など多様な材質に加えて、A2サイズまでなら高さ15㎝までの立体物や球面にも印刷することが可能なのだそうです。ボールペンやワインボトル、絵馬、表札など、様々な物に色鮮やかな印刷を施すことができる画期的なプリンタです。
　特に『幸伸』さんで注力されているのが、結婚式などに飾れるウェルカムボード、記念グッズといった、お客様の特別な要望に応える品物の少量生産や、付加価値の高い「一点もの」の製造です。現在は京都府内のウェディング会社やペットショップ、飲食店などを対象に広報活動を行っておられるそうですが、今後はインターネットで注文を受け、一般の方々へも販路を広げていきたいと考えておられます。
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