第62回 平岡旗製造株式会社

 第62回は1887年(明治20年)創業の老舗旗屋『平岡旗製造株式会社』さんです。創業当初は呉服商を営まれていましたが、一方で国旗・のれん・その他の印染製品の製造販売に着手、戦争により国旗の需要が急増し、また神社・寺院の幕・のぼり等の販売も拡大した為、旗やその他染め製品の製造販売専業者となりました。
 戦中には海外へまで販路を広めるも、敗戦でその市場を失われます。しかしながらその後、国旗・校旗・団旗・会旗の他、舞台諸幕、ご祭禮懸装品、カップ、トロフィーなどの取扱い、また国際ロータリークラブ、国際ライオンズクラブの国際公認店に認定され、国内販路を拡充し業績を拡大されました。長年にわたり京都府旗商組合理事長として業界の発展と結束にも尽力されています。
 「旗」と一言で言っても、生地・刺繍・染め・房・金具・竿など色々な部材を揃えて一つの旗が出来上がります。創業から現在に至るまで、京都におられる人間国宝や伝統工芸士を含め、多くの職人の方々と共に最高の旗を提供されてきました。近年では、デジタルを使った新たな技術も取り入れつつ、昔ながらの工夫を大切に受け継ぎながら“一つ一つ心を込めて丹念に”後世に誇れる旗を届けられています。
 さらにこの旗の技術を用いて、相撲力士の化粧まわしも制作されています。元大関琴光喜関からは「ぜひ平岡旗製造さんで」とリクエストがあり作られたそうです。
 入学式や卒業式、表彰式など、慶びの式典には必ず壇上にある“旗”。それぞれの「思い」と共に代々受け継がれていく“旗”を、後世に誇れる本物の旗で表現してみませんか。