第66回 株式会社 京都科学
第66回は「世界の医療スキルの向上に貢献する」医療用人体模型、シミュレーター国内トップクラスのシェアを誇る『株式会社京都科学』さんです。
その前身は島津製作所の「標本部」で、1948年の創業当時より医学そして理科教育の普及に関する教材を数多く提供されていました。その姿勢は高度経済成長期に入っても変わらず、文化財の保護や保存、修復にもその技術を発揮され、文化の継承に関しても貢献されておられます。
そうして培われた技術力は現在日本が抱える「少子高齢化」という問題にも向けられており、医師・医療従事者用のシミュレーターを開発されています。これはわかりやすくいえば「お医者さんや看護師さんの練習用人体模型」であり、その症例また実習内容に合わせて様々なモデルが必要となります。こういったシミュレーターがまだなかった時代、驚いたことに看護学校では採血や静脈注射の練習は生徒同士がお互いにやっていたとか。医療技術の進歩とともに、いろいろな医療機器が次々と開発されていますし、新しい手術の方法が認可されるようなりました。もう人が練習台になって技術を高めていけるような時代ではなくなったのです。日進月歩の医療技術の向上のため、日本だけにとどまらず海外でも京都科学さんで作られている医療用シミュレーターは必要不可欠な製品となっています。
グローバル化していく医療のなかでは世界標準の技術が求められます。世界規模で広がる医療用シミュレーターのニーズに応えるため、ロサンゼルスにも2004年に事務所を開設され海外マーケットにも進出されておられます。
社員さんたちにも当然高度な医療知識が必要となりますが、皆さん非常にモチベーションも高く新しい社屋もクリーンルームのような清潔感。全社一体となって医療教育に貢献しようとがんばっておられるのがわかりました。
私たち自身や家族が何か病気を患った時、若い先生だと正直ちょっと心配だったりします。でも京都科学さんのシミュレーターで特訓を積んでらっしゃるとなれば心強いですね。