第88回 株式会社 阪口製作所
第88回は、シートベルト金具・エアーバック金属部品などの自動車用安全部品に用いられる金属部品を主力製品とする金属プレス加工企業『株式会社阪口製作所』さんです。1946年の創業以来、創業者の「人の嫌がる仕事・面倒で難しい仕事を率先して手掛ける」という意思を引き継ぎ、技術力、生産力を高めてこられ、現在では高品質な製品を安定供給する技術力が国内外で高く評価されています。
1997年には経済発展が見込まれるタイで現地法人KPN SAKAGUCHI CO.,LTD.(KPNS)を設立し、海外進出。日本と同様、自動車用安全部品のプレス加工を手がけられ、今年設立20周年を迎えられました。
町工場には、3K(きつい・汚い・危険)といったイメージがつきものですが、そんな大変な職場を陰で支えてきたのは、女性の力だそうです。その為、女性が扱いやすく、安全な開発機械を導入するのは当たり前のこと、“働きやすい環境”に最も注力されてきました。その中でも、子育てしている女性がより働きやすい環境を、という考えを当時よりお持ちで現在でいう“ワークシェアリング”を実現されてきました。1人1人の家庭の環境などに配慮し、1つの仕事を数人でこなすといった体制や、子連れ出勤を受け入れるなど柔軟な体制を整えてこられたそうです。その結果、当時短時間のパートとして働かれていた方が、現在は子育てが終り社員となって活躍されています。
「ワーク・ライフ・バランス」は社会で注目されておりますが、すでに数十年前から取り入れられ“働きやすい環境”づくりを常に考えてこられた会長は、現在KPCの理事長に就任。2016年には創業70周年を迎えられ、3代目社長に阪口彰さんが就任されました。今後は、創業100年企業を目指し、新社長が中心となって新しいステージに向かって躍進されています。今後も「ものづくり」へのチャレンジ、業界を率先する技術力に期待が高まりますね。