第89回 美濃清商工 株式会社
第89回は、木材を主とした建築資材の卸売をされている「美濃清商工株式会社」さんです。京都ではなんと一番歴史がある木材総合商社さんです。
天保2年(1831年)京都高瀬川畔にて商いをはじめられて以来、京都を中心に滋賀、奈良、大阪へ木材・住宅建築資材の販売をおこなわれています。創業当初は、焼き板屋さんとして商いを始められました。焼き板とは、防虫及び防腐などの効果があり住宅外壁用材として用いられていました。当時、木材はご飯を炊く・お風呂を沸かす・暖房など、生きていく中で必要不可欠な燃料として大変重宝されていました。現在はガスや石油燃料などが使われるようになり、昔に比べ木材の必需性は少なくなったものの、地球温暖化防止の観点から森林のもつ有用性が再認識され、持続可能な天然資材として注目されています。更に、燃やさない限り炭素を放散させない木材の利用が「低炭素化」社会を目指すキーワードになりつつあり、今もなお、私たちの生活になくてはならない天然資源です。家を建てるのに必要な木材は、基本的には海外のものがメインだそうですが、現在、京都府産木材を使用した住宅に対する助成事業もはじまり、地元京都の木材の需要も増えてきているそうです。
現在、創業180年有余年。この長い歴史のある会社で最も大切にされてきた事は、「人とのつながり」だと取締役社長の若山さんはお話し下さいました。商いを始めて以来、木材・住宅建築資材の販売を通じて、お取引されている仕入れ先さん、得意先さんはもちろんのこと、従業員とも「共存共生」、「心の繋がり」を大切に今後も進んでいきたいとも。今後も現在の木材業を中心に住宅産業全体にも深く関わりながら創業200年に向かって躍進していかれます。現在も変わらず私達の生活を支え、癒しを与えてくれている木材。皆様もあらためて身近にある木材を見直してみてはいかがでしょうか。