第96回 サント機工株式会社
京都府北部の綾部市で金属加工から製品組立に携わられている「サント機工株式会社」さんを訪れました。
戦前の航空機メーカーの疎開工場を前身とし、戦後その技術を継承しながら金属加工業のパイオニアとして発展されてきました。“サント”さんの名前の由来には、近代化の礎を築いた養蚕の都、「蚕都(さんと)」として繁栄した綾部の伝統と高いものづくりの技術を引き継ぎ、伝えていこうという、創業者の熱い想いが込められているそうです。
創業後、繊維機械部品の「加工」をメインに営んでおられましたが、付加価値を高めるため、「組立」にも事業の幅を広げていかれました。しかし、海外との価格競争が厳しく苦戦された時代もあったそうですが、もともと得意としてきた鋳物を加工するための異形材加工技術を武器に少量多品種対応へ転換され、さまざまな分野との取引先とも繋がりをもち、乗り越えてこられたそうです。現在は繊維機械部品をはじめ、舶用エンジン部品、産業用機械部品、歯科医療器部品など、幅広い業界に携わられ、お客様の要望に対応できる体制を整えられています。
会長の山下信幸さんに工場内を案内していただくと、会長自ら社員一人一人の体調などを把握し声をかけておられ、社員さんとの距離が近く、社内の風通しの良さを感じました。外国人実習生の方も雇われており、卒業生で優秀な方を正社員として受け入れもされています。また、会長は綾部市を中心に京都北部の企業にKPCの福利厚生の体制を広げようとご尽力くださっています。
現在は息子さんの山下敬史社長に代が変わり、創業者の意志を引き継ぎながらも新たな風を吹き込み今後も社員一丸となって成長していきたいとお話し下さいました。綾部市の中心的な存在として活躍されている「サント機工株式会社」さん。今後の発展が楽しみです。