第111回 株式会社 服部食品
第111回は、創業100年余り、老舗豆腐屋の「株式会社服部食品」さんです。(株)服部食品さんの代表となる商品は、『南禅寺御用達』のお豆腐です。
江戸時代より南禅寺門前で軒を連ねていた南禅寺豆腐。“湯豆腐”は、一時期は衰退していた時期もありました。豆腐作りにおいても、“にがり”ではなく他の凝固剤を使った豆腐がほとんどだそうです。しかし、三代目となる現在社長の服部一夫さんが「私の代で“にがり”を使った昔の豆腐の味を復活させたい!」と一大決心され、復活に向けて奮闘されました。10年の月日をかけ無事“にがり”を100%使った豆腐を作ることに成功。製造方法だけではなく、素材となる“にがり”、“大豆”ともに国産のものでと、こだわりを大切に作り続けられています。その後、時代の流れもあり、今まで取引のなかった大手小売スーパーとの取引が始まるなど転機を迎えられます。そんな時、南禅寺より『南禅寺御用達』の使用を許可され、当時は大変な喜びだったそうです。
社長の服部さんは、豆腐の元となる“大豆よりも美味しく”という想いを大切に、「美味しいものを作ることが一番大切だ」とお話し下さいました。味がよければお客さんがまた戻ってきてくれ、他のお客さんにも話してくれる、そしてそれが営業に繋がるということでした。また、今まで従業員にも大変恵まれてきたというお話もして下さり、現在働かれている若い世代の従業員さんも伝統の豆腐作りに奮闘されているということでした。今後は、従業員の幸せを大切に、皆の生活が豊かになるように会社をまとめていきたいとお話し下さいました。
大豆の風味が豊かな『南禅寺御用達』のお豆腐は京都市内のスーパーなどでも販売されています。是非一度、大豆そのものの美味しさを味わうことができる職人さんがこだわりぬいた手作り豆腐を味わってみて下さい。