第120回 京石産業株式会社
第120回は、今年創業85周年を迎えられる「京石産業株式会社」さんです。1935年に省エネ時代到来を見通した業種として保温・保冷・断熱の工事会社をスタートされます。しかし時代の流れで失速、そのうえ先代の社長が不慮の事故で他界されました。突然社長の座を引き継ぐことになった現在社長の土井さんは、この時まだ入社2年目。このピンチを乗り切るために、前職からの人脈を頼りに大手家電メーカーへの試作営業を重ねられ、他社にはないアイディアで事業を軌道に乗せることに成功されました。その勢いそのままで、産業機器の製造業にもフィールドを拡大。1983年には京都府久御山町に国内初の工場を建設、翌年には草津工場でアルミ管事業を始動され主力であるカーエアコン用アルミ配管加工も順調に発展。受注先の突然のフルモデルチェンジで失注という危機にみまわれたこともありましたが、お得意先や仕入れ先、人との繋がりがあって助けられたそうです。その後、家業である保温・保冷・断熱の工事は粛々と進めながら、製造の拠点を海外にも設けることを決意。1985年の台湾を皮切りに、マレーシア、タイ、中国、香港と海外ネットワークを構築し、今では東南アジア全域に10社以上の拠点を有し、グループ全従業員の80%以上が外国籍で積極的に活動されています。
現在確立されている3部門(営業・製造・工事)は、相互に協力体制を整え、時代に合わせて力の入れ方を切り替えることで、めまぐるしく変化するビジネス動向に対応されています。営業部門の商社機能、製造部門の徹底した品質管理、工事部門の確かな実績が企業間のあらゆる競争で優位に立つことを可能にしています。
土井社長は28才で引き継がれてから、今まで何度もあったピンチを乗り越え、更に進化して会社を成長へ導かれてきたことを大変丁寧にお話下さいました。年に3分の1しか国内にいないという土井社長に直接お話を伺える貴重なお時間を頂きました。ありがとうございました。