第128回 株式会社積進

 第128回は、精密部品加工(アルミ・チタン・難削材)、大物加工・装置設計・組立配線をされている「株式会社積進」さんです。
 昭和40年に車両部品量産工場として創業。鉄骨建築加工部を創設され本格的に加工のお仕事を開始されました。量産品ではなく、“質”で勝負できる会社にと、昭和57年より大手企業向けの半導体製造装置の製造に取り組まれ成長の足掛かりとされました。近年は精密部品加工・装置設計組立の一貫生産を得意とされており、航空機、通信衛星、医療、生産設備など、時代の最先端を支える幅広い分野で活躍されています。
 代表取締役社長の田中安隆さんにお話を伺うと、様々な社内改革に取り組まれておられます。まず、営業部署を設置し、定期的に展示会に出品。そこで“質”を重視するという昔からの信念を曲げずに技術力で勝負し、研究開発が得意な企業というイメージを確立されました。その結果徐々に「難しい仕事は積進さんへ」と口コミで仕事が広がり、他社では真似できない製品づくりを可能とされています。他にも、精密な製品を扱うようになり、従来の“削る”仕事だけでなく、資料作り(生産工程、品質データなど)も必須となり、技術者の仕事量が膨れ上がっていたそうですが、専門的な仕事に集中できるように、社内改革の一つとして新卒の女性社員を採用されました。その当時は反発もあったそうですが、現在は女性ならではのコミュニケーション能力や仕事の丁寧さを活かし、(株)積進さんのものづくりの重要な役割を担われています。
 田中社長は、「ものづくりの会社なので社内のものは出来るだけ内製化したい」というお考えで、社内を案内して頂くと、実際に社員の方が出退勤のカードリーダーを製作されている最中でした。新入社員のプログラミングなど専門的な研修も社員が行い、今後は一般事務員でもアプリのプログラミングができるようにしていきたいとお話下さいました。工場内では1人1台iPadを持ち、作業内容を確認されるなど次世代のものづくりの現場をみているようでした。数年後には更にデジタル化された社内を訪問できればと思いました。大変丁寧に説明頂き、ありがとうございました。

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