第133回 株式会社 クロスエフェクト

 第133回は、プロダクトの創出や医療分野において、デザイン・設計から開発試作品製作、小ロット生産まで一貫して対応されている「株式会社クロスエフェクト」さんです。
 2001年の設立当初より取り組まれている「開発試作品製作」において、“業界最速”を掲げられ「光造形」「真空注型」「表面処理・加飾サービス」などの技術を用いて様々な開発工程での依頼に対応。昨年からのコロナ禍の影響もありIoT型の測定機器といったスマホとの連携で付加価値が生まれるデバイスの開発が増えているとのこと。また、開発工程でVRやARを活用することで、時間とコストを最小限に抑えられるシステムの導入が間近に迫っているそうです。
 「プロダクトデザイン」の部門では、ロードバイク、IoT Watch、デザインチェアや家電などのデザインを手掛けられ、企画からモノづくりまで提供し、実用的なデザインを提案されています。
 工業分野の開発試作業界で培った樹脂加工技術をもとに「医療系ものづくり・臓器モデル」の部門では、従来は不可能であった内腔まで精密に再現した臓器モデルを製作。きっかけは、国立循環器病研究センターの医師から「心臓モデルを作ってほしい」と依頼された事でした。医療の領域への挑戦は大変悩まれたそうですが、試作品を提案したところ、その場に居合わせた医師の方々が大変感動されたことに感銘を受け、事業化を決断。初めての製品は先天性心疾患を持つ赤ちゃんの手術前に治療を補完できる心臓モデルだったそうで、完成する頃には社員の意識も変わり始めたそうです。
 2013年には、「第5回ものづくり日本大賞 内閣総理大臣賞」を受賞。この賞がターニングポイントになり、この技術力は医療機器として認知され、今後は海外進出も視野に新たなステージへ挑戦されています。
 今回、「㈱クロスエフェクト」を一代で築き上げられた代表取締役の竹田正俊さんにお会いすることができました。竹田社長は、“使命”をもって仕事に取り組むことを大切にされており、お金や時間よりも“人”が大事というお考えで、存在意義のある会社にしていくことが社員のモチベーションアップにも繋がるとお話し下さいました。今後の更なる発展が期待されます。