第149回 株式会社 丸進
昭和25年創業の『株式会社丸進』さんは、現在リボン・レース・組紐など繊維資材の企画・卸売りおよび輸出を事業内容とする企業です。
社長の祖父、野澤嘉一さんが糸商勤務で得たメーカーとのつながりを頼りにリボンの卸を始められ、その後いち早く輸出業に着手、海外展開用ブランド【ローズブランド】を立ち上げられました。
また人とのつながりを大切にされ、【ローズ会】という親睦会を設立。仕事関係先様と旅行やゴルフなどビジネス以上の親睦を深められたそうです。
社員に対しても毎年社員旅行、懇親会の実施と福利厚生の充実を図ってこられ、その思いは企業文化として現社長にもしっかりと受け継がれているように感じました。
お会いさせていただいた社長の野澤孝康さんは大学卒業後、4年間勤めたアパレル企業を退職し、青年海外協力隊員としてブルガリアへ2年。念願だった海外活動を経て丸進へ入社されました。
専務として本社に帰任後、生産機能を持たない問屋がメーカーに対抗するには何が必要かを考え、それを実現するために自社の特性と各仕入先の強みを深く理解した社員が中心となり発信する「企画室」を立ち上げます。その活動により製品の企画・開発・提案資料など必要な市場の情報を素早く取り入れることが可能となり、お客様のニーズに沿った商品をタイムリーに開発し、アパレル分野などの新市場開拓を実現する大きな部門となりました。
オンラインショップ【Rose Rosa】についても、業界内でもいち早く取り入れたという“カットしたサンプルの販売”を開始し「通常店舗では販売されていない素材が手に入る」と手芸好きの間で好評を博しました。その後の丸進さんの新しい販売サービスとして実績を上げています。
また2016年には新たなオリジナルブランド【line-R】を誕生させました。「紐が彩る新しいライフスタイル」をコンセプトとし、一般消費者にも丸進をアピールするブランドとなっています。
最後に社長からは「70年間企業が存続してこられたのは、『人と人との結びつきを大切にする』という企業理念のもと、やはり時代に合わせて少しずつ変化してきたからだと考えています」とお話しをいただきました。今後の益々のご活躍が楽しみです。ありがとうございました。