第156回 株式会社バイタルフォース研究所

 第156回は、岡崎で『シュイロ』というレストランをオープンされたバイタルフォース研究所さんです。20年前に創業され、卵の殻のカルシウムを使ったサプリメントを研究開発されています。
 オープンされたレストランは京都美山の平飼い養鶏場で生まれた有精卵【うちゅうの夜明け】を使った料理が味わえるお店です。
 操野社長はスーパーなどで市販されているケージ飼いの卵ではなく、自分や家族が安全な卵を食べたいと思い、知り合いの会社さんにお願いして美山で平飼いの卵を作ってもらい普段食べていました。しかし平飼い養鶏場は利益がなかなか取れないという理由で辞められると聞き、そこを3年前のコロナ禍に自身の会社で譲り受け、早くこのコロナが明けてほしいという願いから【うちゅうの夜明け】という名前を名付けられたそうです。
 美山の湧き水と、自社で独自に配合したエサを与えていて、砂あそびが出来るほど広々とした鶏舎で、のびのびとストレス無く育てられた鶏の卵です。こちらの卵は全て有精卵で、スーパーなどで売られている無精卵と違い、卵自身が持つ生命力が違うそうです。
 日本卵業協会の「鶏卵の表示に関する公正競争規約」によると「雌鶏100羽に対して雄鶏5羽以上の割合で、平飼いもしくは放し飼いなど、自然交配可能な環境で採卵されたもの」と定められており、無精卵を採卵しているケージ飼いの養鶏場では、有精卵と表示できるたまごを採卵することはできません。飼育の手間がかかるため生産性が低く、雄鶏も飼育しなければならない有精卵は生産コストがかかってしまうため、平飼いの養鶏場は全国で3%程しかないそうです。
 レストランをオープンされたきっかけは、この【うちゅうの夜明け】をデパートに卸す際に形や大きさなど基準に当てはまらない卵が捨てられるのがもったいないというところから、この卵を皆様に食べていただけて知っていただける場所を作ろうということだそうです。
 そして同じサステナビリティの志のある方々の商品も店内で販売されています。店名の由来はお店の前の神宮道を北に見れば、大きな鳥居がありその先には平安神宮が見えます。見たままの朱色をそのまま名前にしたことがひとつ、コミュニケーションを生み、輪を広げていきたいという想いも込められています。
 今後は、美山の鶏たちの餌を自社ですべて栽培して作っていけるよう、これからもっと農業に力を入れていきたいそうです。