第159回 株式会社 壬生電機製作所
第159回は1950年中京区壬生中川町で創業、今年で73年目を迎えられる『株式会社壬生電機製作所』さんです。戦後の物資が不足していた時代に創業者が自宅で電気部品を手加工で作って販売したのが始まりだそうです。その後、電気制御盤周りの電気パーツを製造する企業として発展し、株式会社を設立しました。
常に新しい製品を生み出すことを目指し、34年前には当時手作業だった印字工程を自動化する電気配線用ケーブルプリンターを世に先駆けて製造・販売しました。さらに、2009年には制御盤内のシーリングライトに使うLED照明を先駆けて製品化しました。新たにドイツのビーランド社、クラウス社、ビスカ社との企業提携も始まり、海外との連携も深め、より幅広いお客様のニーズにお応えできるようグローバル化も進めておられます。壬生電機製作所さんの強みは、設計から完成品までを自社内で一貫して行うことで、品質管理を徹底していることです。また、2007年にISO9001認証を取得されており、取材当日工場を見学させていただいたのですが、工場の清潔さや整備された環境に驚きました。
取材の中で特に印象的だったのは、古野社長が社員を信じ、チャレンジできる環境を整えておられる点です。若手社員を積極的に海外出張に同行させ現地の人々との交流を促進したり、若手でプロジェクトチームを作り新製品の開発やデジタルマーケティング、5S活動について話し合い、成果を出されているそうです。
今後は自社を支えている製品の見直しを行い、若手社員を中心に、世の中の迅速な変化に対応できる製品を世に出していける会社となることだそうです。経験から得た知識を大切にしながらも、新しいアイデアを受け入れる姿勢が大切だと語られました。古野社長は若い世代に向けて、失敗を恐れずに挑戦することを奨励し「新しい風をどんどん会社に取り込んでいって欲しい、うちの従業員たちはこれからの悪路を走っていけると自信を持っています」と力強くおっしゃられていました。