第163回 平安建材 株式会社
第163回は今年で設立70年目を迎える、京都ではトップクラスの建材、住宅設備機器卸をされている『平安建材 株式会社』さんです。創業は1947年、築柴七蔵さんが河原町二条でベニア板を取り扱ったのが始まりです。その後、七蔵さんの次男、築柴善治郎さんが株式会社として創立、代表取締役に就任しました。1992年現在の地に本社ビルを新築されました。この業界では珍しく1992年4月、当時国家公務員よりも先に完全週休二日制を導入され、現在も年間休日が充実、「京都モデル」ワーク・ライフ・バランス推進企業認証制度の認証を受けられています。
本社が置かれている京都市は全国でも厳しい景観条例があり、眺望景観創生条例、自然風景保全条例、風致地区条例、市街地景観整備条例、屋外広告物等に関する条例等、建物を建てたり、修繕したりするうえでかなり専門的な知識と情報が必要です。こちらの会社はこの厳しい条例をプラスととらえ、スピード感のある情報力で取引先の工務店や不動産会社などに情報提供されております。
2008年『京ぐらし』プロジェクトが始動し、2011年『京ぐらし』ネットワークを設立、2019年には京都でも最も景観条例の厳しい醍醐寺の前に築112年の町家をリフォームしました。このリノベーションプロジェクトで①耐震②断熱気密③省エネ④防火、防災⑤景観対応を兼ね備えた【醍醐の家】が完成しました。一般的な新築住宅の性能と機能を上回る住宅として、断熱や耐震性に加え、室内の快適性を向上させるためのスマートホーム(IoT住宅)も導入されています。現在「醍醐の家」はモデルハウスとしてハウスメーカーさんや、リフォーム業者、不動産関係者さんが最新のリフォームを勉強のために全国から訪れています。
2025年4月からは省エネ住宅が義務化され、すべての新築住宅で省エネ等級4以上が義務付けられます。平安建材さんがこれまでに培ってきた情報とノウハウが、今後ますます重要となる時代に向けて発揮されることでしょう。