第175回 株式会社 花洛
第175回は京都で確固たる地位を築く回転寿司店「寿しのむさし」を展開する『株式会社 花洛』をご紹介いたします。
1945年、株式会社 花洛は中井誠三郎氏によって創業され、河原町三条にて楽器店としての歴史をスタートさせました。その後、現社長の父、中井義雄氏が事業を継承し、カレー店『バリ』や立ち食いうどん店など多様な業態に挑戦。しかし、1977年、当時28歳だった現社長は、父と共に大阪で人気を博していた回転寿司業態に着目し、特許を持つ元禄寿司の白石義明会長に直接会うため奔走しました。社長の熱意と誠実さが伝わり、同年3月18日、回転寿司店「元禄寿司」を河原町三条に開業しました。
その後、「元禄寿司」の特許が切れたことを機に、店舗名を「寿しのむさし」と変更。京都では当時珍しかった回転寿司は、手頃な価格で提供されることから大きな人気を博し、店内での飲食はもちろん、お土産として持ち帰るお客様も多くいました。
1993年45歳で現社長中井博一氏が代表取締役に就任。お店の評判が広がり、京都駅への出店の話がJR東海より持ちかけられ、初めは躊躇されましたが、親しい経営者の「駅裏でも京都駅は京都駅」という言葉に背中を押され、銀行からの反対を押し切り出店することを決断。結果として、現在この店舗が京都でもトップクラスの売上を誇るまでに成長しました。しかし、2002年には本店向かいに大手寿司チェーン店がオープンし、8年に及ぶ苦境に直面。2011年に競合店が閉店したことで売上は回復し、安定経営へと舵を切ることができました。
現在、「寿しのむさし」は河原町三条本店、京都駅八条口店、持ち帰り専門の上堀川店の3店舗を展開。一店一店を充実させることに注力し、品質とサービスの向上に日々努めています。寿司の品質にこだわり、新鮮なネタと熟練の職人技が融合した一皿一皿は、多くの顧客の舌を魅了しています。創業以来の信念を貫きながらも、時代に適応し進化を続ける「寿しのむさし」。その今後のさらなる発展が期待されます。