vol.6「白く優雅な京の漬物」

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冷え込み厳しい季節。一杯飲んだ帰りにぶぶ漬け(お茶漬け)でも食べたくなりませんか?京都でぶぶ漬けといえば、「お帰りのお時間ですよ」という遠回しな表現。お客様を思いやりつつ、やんわりと帰りを促す京都人の粋な言い回しです。しかし、今や京の街中にぶぶ漬け専門のお店も増え、気軽にその味を確かめることができるようになりました。ぶぶ漬けに欠かせないものといえば、これもまた名物の京漬物。しば漬け、すぐき漬け、千枚漬けは、京都三大漬物といわれています。中でも千枚漬けは、京野菜の聖護院かぶらを薄くけずった繊細で上品な京都らしい漬物。千枚にも切っているかのようなかぶらの薄切りに、まろやな昆布の味がしみ込んでいます。その姿はまるで、白くて優雅な京のお姫様のよう。この千枚漬けは、かぶらが旬の晩秋〜2月頃の間にしか食べられないものなんです。京漬物にも、旬のものを旬の時期にという京料理の基本が貫かれています。

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