vol.14 京の台所「錦市場」は水処。
vol.14
京の台所「錦市場」は水処。
つも多くの人で賑わい、魚や漬物といった食材や日用品が揃う京の台所「錦市場」
。京の人から「錦」と呼ばれ親しまれているこの市場は、約400年前に魚市とし
てはじまったといわれます。冷蔵庫のない時代、なぜ山に囲まれた京都で魚市が
栄えたかというと、それは「水」のおかげ。京都には琵琶湖とほぼ同じ水量とい
われる地下水脈があります。そのひとつが錦の近くに流れていて、良質かつ「夏
でも冷たい」という特色をもっていました。この水を使えば、暑い夏でも鮮度を
落とさずに魚の保冷ができたのです。この水は「錦の水」と呼ばれ、今も錦の人
をはじめ多くの人が汲みに来ます。連綿と続く錦市場の活気は、今も昔も「錦の
水」が支えているのかもしれません。